<写真部><部長インタビュー>「『写真撮りたい!』って思うような生活を」
成蹊大学文化会の中でも屈指の歴史を誇る写真部。広報誌ゼルコバの表紙撮影も担うなど、精力的な活動を続ける団体でもありますが、名前からは具体的な活動の内容が判然としないという皆様の意見もあることでしょう。
そこで、今回は写真部部長の堀口さん(文学部3年)にインタビューを行いました。
インタビュアーは文化会本部の佐藤(法学部3年)です。
堀口部長
活動について
佐藤 普段の活動について教えていただけますか?
堀口部長(以下敬称略) 基本的に週一回部会があって、そこで次の写真展のことや行事のことを話してます。部としての普段の活動はそれくらいでしょうか
佐藤 写真そのものは各々が普段から撮っている、という感じですか?
堀口 そうですね。そして各自が撮った写真を、部会で決めたテーマなどに沿って持ち寄ってもらう…というかたちです。
佐藤 写真展は年に何度行いますか?
堀口 年に4回です。 新歓の時期の「新歓展」、例年六月の「学外展」っていう学校外のギャラリーで写真展をする、というのと、夏休み明けに「テーマ展」、そして欅祭の展示がありますね。「外部展」と欅祭展示が規模としては大きいと思います。
佐藤 それでは合宿などはあまり行わないのでしょうか?
堀口 いえ、年に2回ほど合宿に行きますね。とはいっても、そこで写真の練習をするというわけではなく、普通に旅行です。ここでも撮りたい人が各自撮る、という感じです。
佐藤 合宿場所は決まっていますか?
堀口 夏は大体、沖縄に行ってたんですけど、今年からは違う離島に行ってみようかなと思ってます。春はみんなで候補を出して、多数決で行く場所を決めるという感じで、去年は京都に行って、今年は北海道に行きました。
写真部の部室
佐藤 いいですね…。非常に良い雰囲気であるように私には感じられますが、実際のところ、部活の雰囲気はどうですか?
堀口 まあ、まったり、ゆるくやってますね。想像されている通りかと(笑) 個人的には暗室をもっと使って欲しいと思いますけどね。
佐藤 そうですよね。ある意味で特別扱い(文化会所属団体の多くは部室を一部屋しか持たないが、写真部は部室とは別に写真用の暗室を割り当てられている)ですもんね(笑)
堀口 写真部仕様の部屋なんで、完全に(笑) あとは三階にもう一つ部室があって、なぜか64(ニンテンドー64)があるんですけど、それで燃えたりとか…、あとは新歓で行く花見の下見で花見に行きますね。
佐藤 プレ花見ですね(笑)
堀口 はい(笑)それ以外にも、結構部員同士で公園に散歩に行ったりとかしてますね。仲良くやってる部員も多いです。もちろん、いろいろな部員がいるので、全員が週末に遊びに行っているとかではありませんが、そういう人たちもいます。なにより、誰でも過ごしやすい部活なんじゃないかと思いますね。
写真部と暗室
佐藤 部長はどうして写真部を選んだのでしょう?
堀口 もともと僕は写真を見るのが好きで、高校の時にデジタルの一眼レフを買って以来、撮るのも好きになってたんですね。もとから大学入ったら写真部入りたいなって思ってて、新歓に行ってみたら雰囲気が良かったので、そのまま決めたという感じですね。
佐藤 写真を撮ったり、写真展を企画したり、写真に携わってきた中で、一番感動したのはどんなときですか?
堀口 もともと僕はデジタルで写真を撮ってたんですけど、なにか「これじゃないな」という感じがずっとありました。フィルムも、一年の時こそ、先輩に「やってみれば?」と言われてはいたけど、写真を焼くことが面倒くさくて、あと、中古で壊れてることも多々あるのでフィルムカメラが嫌いだったんですよ。
でも、ある日突然、やろうかなって気持ちになって、やり始めてみると意外に「いいな」って思い始めて、暗室とかも入ってるうちにどんどんハマりはじめました。
そして、何よりも感動したのは、まっ白な紙に、自分が撮った写真が写ってきたその瞬間。自分で、アナログな工程を経て写真を作れるってことは、凄いことだと思います。
写真部の部室に併設される暗室
(ここで暗室での工程を実際に解説してくださる。特殊な作業にインタビュアー興奮)
堀口 暗室は是非活用して欲しいなと本当に思っています。もう、時代の流れとして、フィルムも販売終了になってしまったり、高くなってしまったりして…フィルム カメラの方も新品ではほぼ売ってないような状況なので…。このことを主張し続けるのは難しいことなのかなとも思いますけど、それでも、部活動の一環とし て、「暗室作業」っていうのをみんなに身につけてもらえたらなとは思っていますね。
佐藤 本当に面白いですね…。ありがとうございました。続きまして次の質問に参ります。
カメラは持ってなきゃいけない?
佐藤 写真部に入部するならやっぱり、カメラって買わなくちゃダメですか?
堀口 一応、部にも貸し出し用カメラの用意はあります。でも、写真を撮っているうちに、自分のカメラではないもので撮っても、満足できなくなってくるんじゃないかな…と私は思います。でも、写真に対するテンションは人それぞれなので、無理強いはしません。
「スマホだけでもいいですか?」という質問は結構いただきますし、手軽に撮れるという意味では僕もよく使いますが、個人的には「自分の作品」としてこだわりを持つようになってくると、カメラも自然と欲しくなるんじゃないかと思いますね。でも、個人の自由ですね。文化的活動に強制はいらないと思うので。
佐藤 なるほど。カメラもピンからキリまであると思いますが、フィルムカメラだと相場はどれくらいですか?
堀口 僕のこれは6000円ですが楽しんでますよ。そこそこの写りであれば数千円から普段使いできるカメラは買えます。僕のは安いですけど、いろいろな写真家にも使われてきたカメラで、一応「イイやつ」です(笑)
佐藤 どんな写真を撮られてる方が多いですか?
堀口 これも本当にそれぞれですね。動物や花を綺麗に撮るのが好きな人もいますし、僕は記録的な、日常の風景みたいなのを撮るのが好きです。実物をあるがままに写すぐらいの感じで撮ります。
写真部のこれから
佐藤 最後に、部活の今後の展望について聞いていいですか?
堀口 僕の希望としては、みんなが写真を楽しんで、「写真撮りたい!」って思うような生活をしてもらえるようになったら嬉しいなと思います。今までは、例年通りに展示会を開催することが主たる活動のすべてでしたが、今年からは、外にも発信していけるようなことをしていきたいです。だから、部誌を作りたいですね!! あとは、展示会での写真をTumblrとかにまとめて、ネットで見れるようになったらいいなと思ってます。
今年は、写真部が変わることに一歩踏み出す年にしたいです。
佐藤 ゼロから考えて変わっていくことは大変なことだとは思いますが、応援しています。今日はありがとうございました!
堀口 こちらこそありがとうございました!
<インタビューを終えて>
素敵な部室はもとより、暗室の特殊な雰囲気には本当に興奮しました。写真をはじめあらゆる分野でデジタル化が進む現代だからこそ、あえてアナログな手法に正面から取り組むことで、ことの本質に近づくことができる…とはよく言いますが、その可能性をまさに目の前で感じた取材でした。いい部長、そしていい部活だな…と編集しながらもしみじみ思う次第です。
文章:佐藤未来<文化会本部>