成蹊大学文化会手帖

文化会のあれこれ

<囲碁将棋部>「自分で<一手>を考える」<部長インタビュー>

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部長を通して部活動を解き明かすインタビューシリーズ第四弾、今回は囲碁将棋部です。外部へ情報を発信することの少ないこちらの部活ですが、今回は佐々木囲碁将棋部部長に特別に詳しくお話を伺うことができました。 インタビュアーは文化会本部委員長の佐藤です。

 

佐藤 囲碁将棋部はどんな活動をなさっていますか?

佐々木部長 (以下役職略) 基本的には、部員同士で楽しく対局しあって、そして、終わってから感想戦をしていますね。ネットなどで調べた詰め将棋に熱中している人もいます。そんな雰囲気でお互い考えあったりして、実力を向上させることを目指しています。

 

 

感想戦…今しがた終えた一局について、互いに戦法や局の運びについて感想を交えること。

 

佐藤 大会などにも出場されたりしますか?

佐々木 大会はもちろんありますが、大会出場のためには関東将棋連盟への参加が必要で、この部活は参加していません。そのため大会参加は見送っている状況です。この部活は初心者の方も多く、大学大会クラスになると猛者が集う大会になるので…ここ最近は参加を見送っています。趣味的に楽しんでいる人がこの部活には多いですね。八割ぐらいがそうです。

佐藤 なるほど。それでは、これからも将棋連盟及び大会への参加は見送る予定ですか?

佐々木 今年入ってきてくれた一年生は将棋もなかなか強く、二年生も腕の立つ人が揃っているので、来年度以降で、さらに強い子が入ってきてくれると、団体戦には参加できる可能性があります。また、大学としては参加できなくとも、OBやOGの方が参加されている社団戦(社会人大会)には参加することができます。

 

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佐藤 活動日はいつですか?

佐々木 今期は金曜日の午後からということになっています。また、これは部員の空きコマによるんですが、今学期でいうと、水曜の3,4限が多くの部員が部活に参加しています。

佐藤 というと、活動日は部員の時間割によって流動的に変わるということですか?

佐々木 そうですね。半期ごとに全て決め直しています。あとは、部員のそれぞれが「この時間空いてる?」と声を掛け合って、各自で対局したりしています。部室は部員に開放しているので。

 

佐藤 部内の雰囲気はどんな様子でしょうか?

佐々木 それぞれが「この時間空いてる?」と言えるぐらいには仲が良いですね。もちろん先輩後輩の関係は最低限ありますけど、相当フランクにやっているんじゃないかと私は思っています。

 

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佐藤 基本的に対局は部室で行うんですか?

佐々木 そうですね。碁盤や将棋駒、全てが揃っています。

佐藤 すごくたくさんありますね。

佐々木 先輩たちが、「置き土産」というかたちで増やしてくれました(笑)

佐藤 表現の仕方は大切ですね(笑)

 

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佐藤 部長は入部当時には経験者でいらしたんですか?

佐々木 中高ともに将棋部に所属していました。もとは、ただの趣味でした。でも、大学でも偶然この部活を見つけてしまったので(笑) ここまできたら続けてやろうと思いました。新歓の時に先輩と話して、雰囲気が合いそうだな〜って思ったのも決め手の一つですね。その時一緒にいた新入生とも対局して打ち解けたので、ここならやっていけそうだと思いました。

 

佐藤 「囲碁将棋部」という名前であるからには、囲碁をやられる方と将棋をやられる方、もしくは両方をやる方がいらっしゃると思うのですが、バランスはどんな様子でしょうか?

 

佐々木 全学年で部員は25,6人にいるのですが、実はですね、囲碁メインの人が2年生に一人しかいないんですね。2年生に将棋メインで、囲碁も多少は…という人が一人いて、その二人が囲碁で対局していたりしますが、今は、将棋メインの部活になっています。

 

佐藤 今年入部された方にも将棋メインの人が多い?

佐々木 今年は囲碁ができる人が一人入部しましたが、その人も初心者です。事実として、将棋メインですね。

 

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佐藤 ルールも全くわからない、完全な初心者の方が入部されることはありますか?

佐々木 年に2~3人はそれぐらいの人も入ってきますね。その時は新入部員の意向を聞いて、先輩から教えます。初心者でも全く問題ありませんね。大歓迎です。

とにかく、やってもらえてるそのこと自体が嬉しいんですよね。なかなか、囲碁将棋っていうと、大学に来てまでやる人はあんまりいない。

 

佐藤 部として他にイベントはありますか?

佐々木 欅祭では、あの(ポスターを指差す)のように、囲碁将棋喫茶というのをやっていて、来場していただいたお客さんと部員とで対局したり、お客さん同士でも自由に対局できる場を解放しています。もちろんお茶も出します。大きなイベントといえば、それぐらいですね。

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佐藤 合宿などはありますか?

佐々木 全然ないですね。その意味では、金銭的負担がほとんどない部活です。もちろん欅祭の時に、(喫茶店運営のため)飲食物を購入するために部員から集金したり、自由参加の打ち上げでお金を払ってもらったりとかはありますけど、基本的にお金は使うことのない部活です。

佐藤 入部費などは設定されていますか?

いえ、ゼロですね。文化会登録届けのために千円いただきますが、部としてはいただきません。

佐藤 究極に経済的ですね笑

佐々木 そうですね笑 そのおかげもあるとは思うんですが、割と兼部者も多いです。違う部活に入っていて、二年生から入りますよって人もいます。

 

佐藤 何か、将棋や囲碁にすでに知識がある人のためのコメントなどはありますか? 不勉強ですみません。

 

佐々木 いえいえ笑 そうですね、部員の腕前のほどは、欅祭に来ていただければ実際に対局して確かめることができますが、将棋ではアマチュアの初段、囲碁ではアマチュアの二段ぐらいの実力を持った部員がいます。

 

佐藤 将棋や囲碁に携わっていて、感動したり、印象に残っていることはありますか?

佐々木 そうですね…。欅祭でのことがやはり印象に残ってます。一年の時も、二年の時も同じことを感じました。囲碁将棋喫茶には割と年配の方もいらっしゃるんですね。そのなかでも結構いろいろなタイプの方がいらっしゃるんです。

佐藤 いろいろなタイプ?

佐々木 はい。盤上の動き方のタイプです。かっちり、定石通りに、綺麗に始まって、綺麗に終わるような人もいれば、定石を無視したやり方の人もいたり、初心者っぽく見えたのにやたら強いな…という人もいたりします。本当にいろいろな人がいて、面白いですね。

あと、欅祭中には成蹊小学校の生徒さんも来られたりするので、いろいろな年齢層の人が将棋をやりに来るのを見ると、将棋や囲碁に携わっている身としては、嬉しいなと思いますね。

 

欅祭に来られる高齢の方は、だいたいお強いんですよね。全然勝てないわけですが、それでも、相手の盤上での個性がわかるだけで楽しいんですね。小学生の方でも、時折すごく強い子がいて、先輩としてのメンツを賭けて勝負することがあります。それで負けたとしても、やはり、試合を振り返ってみると、楽しかったなと思えるんですね。それが、今まで自分が続けている理由かなと思います。

 

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佐藤 将棋の魅力とはなんでしょうか?

佐々木 将棋は戦法がかなり研究されていて、定石や手筋がお互いに暗黙の了解のようになっています。なので、お互いに相手がとっている戦法を知っている場合っていうのはよくあるんですよね。相手の出した手に対して、自分はこう反応するのが一番いいというのがある程度決まっていて、特に、序盤あたりはお互いの予想通りに進むということが珍しくないです。でも、大体中盤あたりから、お互いちょっとずつ、予想されていた展開からずれてくるんですね。その時に、自分の頭で、今までの対局の記憶とかを引っ張り出して、自分で、新しく「一手」を考えて、うまくはまって、勝利を手にした時の達成感というのが、一番大きいですね。

佐藤 高度ですね…

佐々木 やはり、欅祭の時にご高齢の方と対局している時なんかは自分の読みややり方は崩されて、負けてしまうことがあるんですけど、そういうときも、自分よりも上手な相手の「一手」なんかを見たりすると、感動を覚えます。

ですから、勝っても負けても、試合後の疲労でぼーっとしながらその対局のことを考えていると、達成感はありますね。

 

佐藤 今後の部活の方針についてお聞きしていいですか?

佐々木 人間関係の面では、今みたいに、最低限の先輩後輩関係は大切にしつつ、お互い、同じような趣味を持っている人たちなので、和気藹々と続けていければ一番いいかなというのはあります。部としては、今は将棋連盟には加盟していませんし、大会の参加も見送っていますが、部員を育てて、そして新入生にも強い子が参加して、部のレベルが一定以上に乗れば、亀井も大会参加も積極的に考えたいですね。

 

佐藤 ありがとうございました!

佐々木 これで大丈夫でしょうか笑 ありがとうございました!

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文章:佐藤 未来 <文化会本部>

写真:堀口 喜平 <写真部>