<競技ダンス部><部長インタビュー>「強くなった証拠を後輩へ」
現在、成蹊大学文化会本部には四十以上の団体が所属しています。団体それぞれの歴史と部員の充実した学園生活への責任をもつ部長は、部活をどのように捉え、何を目指すのか。そんなことを我々文化会本部が聞いてまわる部長インタビュー、今回は競技ダンス部です。
佐藤未来(文化会) 今日はよろしくお願いします。
三浦湧也部長(以下敬称役職略) こちらこそ、よろしくお願い致します。
佐藤 まず、活動内容について伺っていいですか?
三浦 この競技ダンスというのは、一般にイメージされる、いわゆるダンス部がやっておられる創作ダンスとは違って、ステップの足型に決まった形があります。部活では、それらを先輩から後輩へ教え、ダンスの完成度を高め、競技会での勝利を目標にしています。
佐藤 完全に自由な表現であるのかと思っていましたが、そうではないのですね。
三浦 はい。競技ダンスのうちでも、ダンスのジャンルがいくつかあって、それぞれの足型があります。
佐藤 「先輩から後輩へ」と先程おっしゃっていましたが、ダンスを教える先生はいらっしゃらないのですか?
三浦 はい。ここは学生主体の部活なっていて、練習場所、練習方法、運営方針など、全て学生が決めています。教え方のノウハウなどは、先輩から代々伝わってきています。
佐藤 ツイッターでも拝見しましたが、試合なども活発に行われているようですね。
三浦 そうですね。冬には殆ど無いですけど、このシーズンになると月に二回あります。
佐藤 月に二回! かなり活発ですね。
三浦 そうかもしれません。基本的にレギュラー戦は春に一回、秋に一回で、そこで勝ち上がると夏などに全国大会があります。それ以外は招待試合が多いので、月に二回とかになります。
佐藤 招待試合というのは?
三浦 競技ダンス部を設置している大学は、北海道から九州まで数多くあります。そうした全国の大学と対決する大規模な大会がレギュラー戦で、招待試合は何校かが自主的に集まって行われる大会です。地理的に近いという理由だったり、いろいろな理由で招待試合が開催されています。
佐藤 大きな大会はもちろん、招待試合にしても、発表の場が常にあるというのは素晴らしいです。緊張感が保たれますね。
三浦 そうですね。なかなか気が抜けません。
佐藤 練習は週に何回ありますか?
三浦 練習は週に二回、火曜日と土曜日にあります。加えて、水・木・金は自主練習という形で、練習室(音楽練習室)が解放されています。また、この部活はインカレで、曜日によって練習場所が他大になることもあります。
佐藤 文化会団体でインカレというのはすごく珍しいと思います。競技ダンス部は国際基督教大学と清泉女子大学と共同で活動していますが、成蹊を含めたこの三大学で一つの団体として活動なさっているんですか?
三浦 そうですね。試合もこの三大学で1チームとして参加します。成蹊大学がリーダーシップを取って運営しています。
佐藤 ということは、他大のかたとペアを組むなんてこともあるわけですね。
三浦 もちろん、ありますよ。成蹊同士のこともありますし、清泉女子大がやはり女性しかいませんから、清泉の学生とペアになることが多いですね。
【ダンス部辞典その❶】
— 成蹊大学競技ダンス部 (インカレ) (@seikeidance) 2016年4月27日
1.リーダー・パートナー
競技ダンスでは、男性をリーダーと呼び、女性をパートナーと呼びます!
リーダーはパートナーをリードし、パートナーはそれをフォローするなどそれぞれ役割があります(o(*゚▽゚*)o) pic.twitter.com/8jipjihhry
佐藤 部の人数はどれくらいでしょうか?
三浦 成蹊大学だと20人ぐらいです。男女比は年によって代わりますが、今はほぼ五分五分です。
佐藤 部員の方々のモチベーションはどうですか?
三浦 入部したての頃はみんな足型を覚えたくて練習場所に積極的に来ますね。そして一度覚えると、そこから動きを洗練させるのもまた醍醐味の一つなので、結局はずっと練習を続けています。練習場所が使えるのが20:45までなので、そこまでみんな頑張っています。
土曜日は13:30から大体二、三時間やってそこからは自主練習という感じですかね。
佐藤 部活としてイベントがあったりはしますか?
三浦 あります。大会とか練習が多くて、とにかく仲が良いので、一緒に出掛けたりとかは多いです。その中でも特徴的なのは、毎年ゴールデンウィークに部活で開催し ている「吉祥寺ウォークラリー」というものです。入学されたばかりの方は、成蹊大学の方も他大学の方も基本的には登下校の時に通る道しか知らないと思うん ですね。なので各大学でグループを3つ4つに分けて、吉祥寺を探索してもらうというものです。
吉祥寺ウォークラリーはじまります!!! pic.twitter.com/7akJUCDuGq
— 成蹊大学競技ダンス部 (インカレ) (@seikeidance) 2016年5月5日
部活内には企画部という部門があって、そこに所属する部員が吉祥寺の各ポイントに立っていて、そこを回ると点数がもらえるといったような、ゲーム形式のイベントを開催しています。
佐藤 そのイベントは競技ダンス部だけで独自に企画しているのですか?
三浦 そうですね。
佐藤 メッチャすごいですね。楽しそうだな…
三浦 このお店を回ると何点、というふうに決まっていて、みんなで吉祥寺の町を食べ歩きしながら、最後にみんな集まって得点を競う、って感じです。
佐藤 合宿もありますか?
三浦 夏にあります。その時はみんなで浴衣を着て納涼船に乗りながら、花火を見たりもしますね。
佐藤 いいですね。全体としてほんとうに仲が良さそうです。
三浦 あと、この部活は縦のつながりが非常に強いんですね。OB,OGさんとすごく仲が良いです。練習会や大会にも頻繁に来ていただいています。新歓の時とかも来てくださって、現役部員が知らないことなんかも新入生に教えてくれたりとか笑 そんなこともあります。
もちろん先に述べたとおり、横のつながりも強いですよ。
佐藤 文化会とはいっても、すごく体を動かす団体ですもんね。やはりそういう団体は部員同士も親密になりやすいですよね。Twitterも拝見しましたが、非常に仲が良さそうで。
三浦 そうですね笑 あの通りだと思います。
佐藤 三浦さんが競技ダンス部に入られたきっかけについて聞いてもいいですか?
三浦 まだ入学していない時に、桜祭(当大学のホームカミングイベント)で、先輩たちのデモンストレーションを見て、少し興味を持ちました。そして新歓の時に再びデモンストレーションを見て、完全に決めました。新歓部屋に行った時も、雰囲気が良くて。実際に入部してみても、サークルほど軽くもなく、そして体も動かせるので丁度いいかなと思いましたね。
佐藤 ダンスとかは入学以前からされていたのですか?
三浦 まったくありませんでした。
佐藤 それでは入部する時、結構勇気が要ったのではありませんか?
三浦 入部する前、新歓の時に先輩が「僕は元帰宅部なんだ」とおっしゃっていて、現に部員も出身は文化系から体育会までそれぞれですね。高校までには、「競技ダンス部」っていうのは基本的に無いので、入部するほとんど全員が初心者です。競技ダンスは大学から初めて全国制覇も夢ではないので、そこも魅力の一つなのかなと思います。
【ダンス部辞典その❷】
— 成蹊大学競技ダンス部 (インカレ) (@seikeidance) 2016年4月28日
モダン人
スタンダードモダン専攻の人のこと。モダン専攻の人は学生競技ダンスでは、ワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップの4種目を踊ります🌟💃 pic.twitter.com/O0Mc1VhlrL
佐藤 基本的には初心者が多い?
三浦 そうですね。女性のバレエ経験者が少しいるくらいでしょうか。ときおり社交ダンスの経験者も入部しますが、また競技ダンスとは違いがあるので、そこも魅力であるとお話を聞きましたね。
佐藤 中途入部は可能ですか?
三浦 二年生から入る生徒もいますね。他大学にもそういった生徒はいます。入部はいつでも随時受け付けてます!
佐藤 むしろ、この能力があるならぜひ入部を!というものはありますか?
三浦 やはり、文化系出身なら、音楽をやっているとスムーズに上達できますね。運動系出身ならやはり体のこなしが大切な競技なので、バレエ経験者は上達しやすいかと。
佐藤 競技ダンス部に携わってこられた中で、一番印象に残っていることは何ですか?
三浦 この部活では、1,2年生が「教わる」側で、3,4年生になると「教える」側になります。
僕が2年生の時、一緒に練習していた先輩とかが一つ上がって「教える」側になって、大会で活躍していたりするのをみると、とても自分も感化されて、感動しました。1,2年生と3,4年生では衣装も異なってきます。よくデモンストレーションで着用されているドレスなどは上級生用で、入部してからも、そこに憧れたりしました。
佐藤 部活の今後の展望についてどんなことをお考えですか?
三浦 思 い出作りや、競技ダンスを強くなっていくこと、部活を楽しんでもらうことはもちろんなんですけど、部員には、人間としての器も大きくしていって欲しいと 思っています。顧問がいるわけではなく、学生主体なので、いろいろな意見がぶつかることはあります。その意見の衝突を通して、お互いに人間として成長して いって欲しいと思いますし、その強くなった証拠を後輩へ受け継いでいってほしいなと思います。
佐藤 ありがとうございました!
三浦 こちらこそ、ありがとうございました。
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文章:佐藤未来<文化会本部>
部長写真:堀口喜平<写真部>